奨学金返済を理由に夜職の世界に飛び込む女性、みなさんが想像している以上に多いです。面接で実際の話を聞くと、確かに大変だなぁ…と思うことも多々あります。果たして昼職だけで奨学金は返済できるのでしょうか。実際問題どのくらい大変なのか、統計資料もあげながら説明したいと思います。
奨学金の平均は約300万円
「奨学金や教育負担に関するアンケート調査」によると、
- 奨学金の平均借入額は平均324万3000円
- 毎月の返済額は平均1万6880円
となっているそうです。毎月の額をみるとそんな高額に思えないかもしれませんが、返済までに約190か月、16年くらいかかる計算です。卒業後16年といえば大卒ならだいたい38歳。それまでに結婚、出産を経験する女性も多いでしょう。どこかのタイミングで生活が困窮するパターンも、大いに想像されます。
「奨学金や教育負担に関するアンケート調査」(労働者福祉中央協議会)
一方、20代女性の給与は…
20代女性の平均給与は、大阪府全体で年収約374万円(平均月給25万円)とのこと。
とはいえ求人サイトを見ていると、保育士の中途採用が月給16万円~で出ていたり、有名アパレルの販売職が月給19万円~だったりと、かなり上下に差はありそうですよね。販売サービス系、介護、保育、そして非正規雇用の平均手取り額は、15~20万円くらいと考えた方がよさそうです。
例えば求人検索サイトindeedで「大阪府大阪市平野区」「保育士」で給与データの統計を取ると、5647件のデータ平均で月給(おそらく中途スタート給与)18.8万円だそうです。手取りで17万円くらいでしょうか。
家計の支出額、驚きの数字
では、毎月の支出は平均どのくらいなのでしょう。総務省の家計に関するデータを見てみると、の支出平均をざっくり見積もっても15万円以上はかかる計算になります。美容院と洋服合わせて15000円とシビアに見積もっていますので、実際はもっとかかるのではと。
- 家賃:60000円
- 食費:37000円
- 水道光熱費:7000円
- 通信費:7000円
- 交際費:17000円
- 美容品・洋服等:15000円
- 生命保険等:8000円
上記計:15万1000円
先ほどの奨学金の額を加算すると月17万円。手取りで15万円の保育士さんは、この時点で月の収支がマイナス2万円となります。これは非常に厳しい。ちなみにこの計算、かなりシビアに見積もってなお車の維持費や貯金を除外しています。体調を崩して休職なんかしようものなら…かなり厳しくなるのがわかるでしょう。
まとめ
奨学金制度を利用する際は、就職した後のお給料がどのくらいかまで考えていきましょう!
すでに奨学金を借りている人は、夜職で月数万円足しにするだけでも一気に余裕ができることもありますので思い悩む前に一度相談してみるのも手ではないでしょうか。実際に短期で前倒し返済できて、貯金に回せている女性もたくさんいます!