風俗業界にとどまらず、多くの業界が揺らぐことになったコロナショック。第二波も襲来し、人々は「ウィズコロナ」を意識せざるを得ない状況になりました。
そんな2020年の夏、風俗業界はどのように立ち回っていったのか、今後の業界はどのようになっていくのか、分析したいと思います。
コロナショックに右往左往した春。
大阪、特にミナミの街を見渡してみると、そこかしこに「空き物件」の看板を目にすることができます。たった半年前までは、空前のインバウンド需要に沸いていた宿泊業や小売、特にドラッグストアは一気に売上を落とすこととなりました。
風俗業界も例にもれず、4月の自粛要請期間中はほとんどお客さんも来ない状況。それでも店舗型ヘルスの一部が営業自粛を行った以外は、地道に営業を続ける店舗がほとんどでした。
細心の注意を払い、なんとか営業継続
目に見えないウイルスの恐怖もさることながら、一番の脅威は「世論」だったかもしれません。パチンコ店が標的にされ、ライブハウスがやり玉にあがり…
それでも大阪の業態のほとんどを占める「ホテヘル」と「デリヘル」は、仕組み上「3密」になりにくい運営形態だったのが不幸中の幸いだったかもしれません。クラスター発生報告もなく、営業を継続することができました。
1~2割の店舗が閉店に
4月の危機的な状況から、緩やかに回復基調に向かいつつある風俗業界。業界全体ではまだまだですが、8月の時点で前年を超える売り上げを達成している中型~大型店もあるという状況ですから、業界としてはひとまずの危機を脱したと言えるかもしれません。
4月の段階では、3割以上の店舗が閉店、もしくは休業になるのではと予想していましたが、その数はおよそ1~2割にとどまっています。
大規模閉店を避けられた理由は?
風俗業界が大規模な閉店ラッシュを避けられた理由は3つと言えるでしょう。
- クラスター発生がなかったから
- 毎月のランニングコストを抑えることができたから
- そもそも毎月のランニングコストが低く済むビジネスモデルだから
クラスター発生が起きなかった理由
クラスター発生がなかったのは今のところ非常に幸運だったと言えます。キャストやスタッフの体調・体温管理を業界として徹底していた(というよりも、集客のためにもそうしてアピールする必要があった)ことや、お風呂に入る機会が多いのでそもそも清潔だったことなどが挙げられます。
毎月のランニングコストを抑えた方法
風俗業界で運営コストを抑えようと思ったら、ヘブンネットやぴゅあらばなどの「広告費」を削るのが一番手っ取り早い方法です。新規顧客の供給源のひとつが断たれることになりますが、費用対効果を考え広告費削減に踏み切った店舗やグループも非常に多かった印象です。
また、男子スタッフの余剰人員を整理したり、物件賃料の減額交渉や移転なども積極的に行われたようです。
そもそも毎月のランニングコストが低い理由
一般企業といちばん違うのは、キャストに対する固定人件費がかからないということです。出勤すればお客様からいただいた金額の何割かを支給する、出勤しなければ支給なしというシンプルな構造なのも、このような危機的事態に強い要因のひとつです。
大阪で一般的な「ホテヘル」「デリヘル」の業態は、受付や待機室の事務所賃料とある程度の固定費だけで運営できるのも、大阪で閉店が少なかった理由です。
コロナ禍で見られた変化について
コロナショックを経て、キャスト、店舗ともに2極化傾向が進みました。
人気・実力のあるキャストや店舗に売り上げが集中し、お店の力だけで稼いでいたキャストや新規顧客に頼っていた店舗は淘汰されつつあります。
お客様の動きが慎重で、より確実に遊ぼうとする傾向のあらわれですから、今後も引き続きこの状況は続くと思われます。
また、風俗業界にとって、コロナショックはひとつの転機になりました。
店舗型からデリヘル、ホテヘルへと移行するにつれ、影響力が強くなりすぎた風俗ポータルサイト依存から脱却しようとする動きが強まりました。ヘブンネットやぴゅあらば等の広告費用を削るかわりに、他の方法で集客をすすめようと考えはじめたのです。
コロナ禍発生期間以降、風俗店舗・風俗嬢のTwitterやInstagramアカウントが激増、YouTubeに力を入れる店舗も増えています。
個人的には、この動きは業界全体にとっていい方向に向かうと考えています。
- 自分たちの売り方を徹底的に考えるきっかけになる
- カリスマ的人気の風俗嬢・スタッフが生まれる可能性がある
- 他業種・他業態のアイデアを吸収できるきっかけになる
まとめ
今後の風俗業界は、今まで以上に「力のある」店舗と女の子が爆発的に稼げる業界になるでしょう。特に「見せ方」「セルフプロデュース」の上手さが求められる業界になっていくと予想されます!