コロナショックと風俗業界。岡村隆史さんのラジオの発言も今は昔、自粛期間を経た混乱期から、徐々に平静を取り戻しつつあります。世界的には、コロナ禍を経て店舗型の風俗から個人売春へとシフトする傾向が見られていますが、日本ではちょっと状況が異なると考えています。
有名風俗ライターが感じた変化
カリスマ風俗ブロガーJOJOさんの記事に目が留まりました。聞き手はクレイジージャーニーでブレイクした丸山ゴンザレスさん。
「コロナ禍以前から増え始めていた『個人売春』の流れが、今後さらに加速するのではないでしょうか」
コロナ禍で風俗は“店舗型”から“個人売春”に? 丸山ゴンザレスが聞いた「クラウド売春」の実態
実は、世界のグローバル化やデジタル化によって、近年では実店舗ではなく、SNSや出会い系アプリを介した「個人売春」が流行しつつあった。「クラウド売春」などと呼ぶ人もいる。
特に興味深いのは、海外に出た売春婦が現地の国でクラウド売春をするケースもあることだ。たとえば某国の売春婦が東京に来て、SNSを使って客をとるようなことも実際に起きているという。JOJOさんの言う「個人売春が加速するのでは」という予測は、そうした実情を踏まえてのことだ。
確かに海外でもFacebookを通じた組織売春が摘発されたり、SNSを通じたわいせつ事件やトラブルは日常茶飯事の印象がありますね。
日本でもこの先、個人売春が風俗業界のメインジャンルになっていくのでしょうか。結論からすると、NOだと思っています。
理由1.荒れ始めたパパ活市場
日本における個人売春といえば「パパ活」でしょう。「パパ活」という言葉で個人売春がポップなものとして認知されて3年ほどが経ちました。それ以前から出会い系サイトや出会いカフェなど同様のサービスはありましたが、パパ活が流行したのは「フツウの子と会えるから」に他なりません。
しかしパパ活サイトは、一時に比べて勢いに陰りが出てきていると思います。メディアの多くは、「コロナで夜職の女の子がパパ活に!」など煽情的なニュースを流していましたが、勢いは落ちる一方。
理由はパパ活女子の「セミプロ化」にあると考えています。
パパの求める「パパ活女子」は、普通の大学生や一般企業のOLのはずなのに、ホストの売り掛けでお金に詰まったデリヘルやソープの女の子(食事なしで大人の関係のみ、終わったらすぐ帰るタイプ)や、パパ活アプリが仕掛けたパパ活アプリ攻略サイトを見すぎて、誰でもお茶と食事だけで何万円ももらえると思ってしまっている女の子(界隈では「茶飯嬢」と言うそうです)が増えてしまった結果、ユーザー離れが起きてしまっているのが現状です。
セミプロどころかプロの援デリ業者ばかりになった出会い系サイト、もはやデリヘルの待機室と化した関東の出会いカフェと同じような道をたどりつつあるわけです。
理由2.トラブルから身を守る術
個人売春のいちばんのネックは、トラブルに遭遇した際の対応もすべて自分で行わなくてはいけないということです。
実際にニュースになったトラブルは以下のものが挙げられます。
すべて女の子ひとりで対応できるでしょうか…
- 盗撮や盗聴
- 金品の強奪
- 暴行・監禁
- パパ活狩り
- 睡眠薬・覚せい剤
- ストーキング
- 写真等の流出・脅迫
滅多に起こらないトラブルといえど、起こった際の危険度はかなり高いと言えるでしょう。リスクは高いです。
理由3.売春防止法の存在
世界では風俗産業に携わる=売春となりますが、日本のセックスワーカーは必ずしも売春をしているわけではないということも大きいかもしれません。
売春防止法の制定から50年以上。表立っての「売春」は必ず取り締まり対象になります。
SNSで表立って売春を行うことはもちろん、個人を装って売春を持ち掛ける援デリのようなやり方も積極的に取締りがありますから、一時的に個人売春が流行したとしても締め付けに遭うのは目に見えています。
まとめ
日本はヘルスやピンサロ、オナクラなどの風俗業が法律で守られ、産業として、組織として確立されている分、女性集めや魅力的な見せ方、お店の固定客確保、トラブル対応などのノウハウに強みを持っているのは間違いありません。
安全に、安心して働ける場所にしか「良い女性、フツウの女性」は集まりませんから、コロナによって風俗産業の中での淘汰は加速すると思いますし、むしろギャンブル性の高い個人よりも安心して遊べる、実力のある風俗店のほうにユーザーが流れていくものだと思います。
店舗数の多さ、業界規模の大きさゆえ「風俗がいちばん素人が多い」という逆転現象が起こっていることに、世の男性はもっと気づいてほしいところですね…