風俗で働く前に、ちょっとだけ頭に入れておきたい「風俗にまつわる法律」全集

「風俗」という言葉から、みなさんは何を想像するでしょうか?ヘルスやオナクラのような性風俗産業は、すべて「風営法」にのっとって営業しています。風営法の適用下にあるのは実は「風俗店」だけではありません。今回は風俗店にまつわるたくさんの法律を解説していきます!

「風俗」という名前の由来

元来風俗とは、生活上見られる風習や慣わしの事を意味します。
ダンスや麻雀など、善良な風俗に影響を及ぼすとされた営業が「風俗営業」として都道府県の公安委員会への届出を要するようになり、1980年代に流行したノーパン喫茶、テレクラなど性風俗の多様化と共に、これら性風俗営業の店が単に「風俗店」(フーゾク店)と呼ばれ一般に定着してきました。

風営法自体は1948年に制定され、それから時代に沿うような形で何度も何度も改正を繰り返されてきました。日本の法律の上の位置付けでは、風俗営業等の規制及び業務の適正化等に関する法律(風適法)において性風俗関連特殊営業に含まれる業種・店舗、キャバクラやセクシーパブ、ピンクサロン等といった風俗営業(接待飲食等営業)に分類される店舗のほか、ナイトクラブやゲームセンター、パチンコ店なども風俗営業として定義されています。

性風俗営業とは

風営法の適用業態の中でも、異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業のことを指します。

勘の良い方は気づいたかもしれませんが、「異性」と定められていますので、「同性」であれば性風俗とは見なされません。風営法の適用外となり届け出も必要ありません。大阪のニューハーフ店が看板を出して営業しているのはこれが理由です。
※あくまでも「現状では。」の話です。警察が本気になれば、どれだけきちんと営業していようと、いくらでも難癖をつけて簡単に潰されます。

風俗店の種類とは?

性風俗営業は「店舗型性風俗店」と「無店舗型性風俗店」に分かれます。

店舗型性風俗特殊営業

ソープランド

浴場業(公衆浴場法1条1項に規定する公衆浴場を業として経営することをいう。)の施設として個室を設け、当該個室において異性の客に接触する役務を提供する風俗の業態。

表向きは「お風呂のお手伝いをする女性」というわけですね。性的サービスについては法律上言及されていないのが特色です。

店舗型ファッションヘルス

個室を設け、当該個室において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業のこと。

ソープと比較して、こちらは性的サービスについての言及はあります。本番がダメな理由は、売春防止法によるものです。

個室ビデオ、ストリップ劇場など

専ら、性的好奇心をそそるため衣服を脱いだ人の姿態を見せる興行その他の善良の風俗又は少年の健全な育成に与える影響が著しい興行の用に供する興行場(興行場法1条1項に規定するものをいう。)として政令で定めるものを経営する営業

ラブホテル 、レンタルルーム、モーテルなど

専ら異性を同伴する客の宿泊(休憩を含む。以下この条において同じ。)の用に供する政令で定める施設(政令で定める構造又は設備を有する個室を設けるものに限る。)を設け、当該施設を当該宿泊に利用させる営業。

意外かもしれませんが、ラブホテルも風営法の適用内です。

アダルトグッズショップ

店舗を設けて、専ら、性的好奇心をそそる写真などを販売・貸し付ける営業。

出会い喫茶

店舗を設けて営む性風俗に関する営業で、善良の風俗、清浄な風俗環境又は少年の健全な育成に与える影響が著しい営業として、専ら、面識のない異性との一時の性的好奇心を満たすための交際を希望する者に対し、当該店舗内においてその者が異性の姿態若しくはその画像を見てした面会の申込みを当該異性に取り次ぐこと又は当該店舗内に設けた個室若しくはこれに類する施設において異性と面会する機会を提供することにより異性を紹介する営業。

無店舗型性風俗特殊営業

デリバリーヘルス(派遣型ファッションヘルス)

人の住居又は人の宿泊の用に供する施設において異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業で、当該役務を行う者を、その客の依頼を受けて派遣することにより営むもの 。待合せもデリバリーヘルスに見なされます。

ホテルヘルス

実質的な内容はデリバリーヘルスと変わりません。
ただしホテルヘルスは受付所が別に存在しており、その許可された場所内であればお金のやり取りや客に対する営業行為を行うことが許されています。

ホテルヘルスの新規許可はもう降りません。既存の許可が降りている場所でしか営業ができない希少な存在となり、高額な売買対象にもなっています。
デリヘルの許可ではホテヘルのような店頭受付営業はできないが、ホテヘルの許可であれば待ち合せ・デリヘルを行う事はできる。

アダルトグッズの通信販売

電話その他の国家公安委員会規則で定める方法による客の依頼を受けて、専ら、前項5号の政令で定める物品を販売し、又は貸し付ける営業で、当該物品を配達し、又は配達させることにより営むもの 。

まとめ

現状、性風俗営業の新規許可はデリバリーヘルスしかおりません!

風俗業の営業場所について

現在日本においては、建築基準法により商業地域以外では建設できない上、風適法第28条の定めにより、官公庁施設や学校・図書館・児童福祉施設から半径200m以内において新たに店舗型性風俗関連特殊営業を行うことは禁止されてます。(対象施設の設置前から既に営業している店に関してはその限りではありません)また別途都道府県条例によって対象施設を追加している場合も多いです。

ちなみに弁護士や行政書士を目指す学生が必ず学ぶ有名な事件として、「余目町個室付浴場事件」という事件があります。ソープランドの許可をいちど知事が認可したにもかかわらず、住民運動の影響を恐れて後付けで児童遊園公園を設置して禁止区域指定を行い、営業の許可が無効になるばかりかソープの経営者が風営法違反で起訴されるという事件です。結局裁判では山形県の職権乱用によるものでソープの経営陣には無罪判決が出されています。

まとめ

大阪での店舗型性風俗店の開業は、場所的要件がおそろしく厳しいため現実的にはほぼ不可能。

風俗店の営業内容

性風俗店にはサービス内容により様々な店があります。女性が男性にサービスする業態の店がほとんどですが、中には出張ホストクラブのように男性から女性へのサービス、ニューハーフから男性へのサービス、男性から男性へのサービス(いわゆるゲイ向け風俗店)、女性から女性へのサービスなどの業態も存在します。

変わったところでは、ラブドールデリヘル等身大の高級ダッチワイフ(ラブドール)を時間レンタルするサービスも。風営法上のデリヘル(無店舗型ヘルスサービス)の定義では 「人の住居又は人の宿泊の用に供する施設において、異性の客の性的好奇心に応じてその客に接触する役務を提供する営業で、当該役務を行う者を、その客の依頼を受けて派遣することにより営むもの」となっています。

まとめ

性的な接客の内容は、性交禁止以外特に規制はない。

日本では売春防止法の制定により、売春サービスの提供を業務として行うことは禁止されており、性風俗店で性交を行うこと(本番行為)は禁止されています。
しかし実際にはソープランドでの本番行為は黙認されていることが多く、建前上は店は関知していない(ソープランドはあくまで銭湯であり、女性店員と男性客の合意の上で行われる営業外行為とみなされる)ことになっているのです。

飛田新地も同様に、あくまでも料亭であり、仲居さんと男性客が恋仲になりその場で性交を行ってしまった。という程で黙認されている。 日本では本番行為に対する規制が強く、逆に非本番系風俗の業種が発展し豊富に存在してるという、他国にはない特徴があります。

風俗店の届出・許可書について

一般的に「届出書」と呼ばれたり「許可書」と呼ばれたりする、警察から交付される書類ですが、正式には「無店舗型性風俗特殊営業届出確認書」。

「確認書」、つまり警察は許可はしていません。確認した。だけです。
前述にもある通り、警察が本気になれば難癖はいくらでもつけられるようになっています。

性風俗営業に対する規制


性風俗営業を営むには、所在地を管轄する都道府県公安委員会の許可を要します。

性風俗関連特殊営業の営業時間

下記業種は深夜(午前0時から午前6時)の営業が禁止されています。
・店舗型1号営業:ソープランド
・店舗型2号営業:ファッションヘルス
・店舗型3号営業:ストリップ
・店舗型5号営業:アダルトショップ
・店舗型電話異性紹介営業:テレクラ
・無店舗型性風俗特殊営業:ホテヘル

※店舗型4号営業(ラブホテル)はこの対象外です。

また、下記業種に関しては時間の制限がなく、24時間の営業が可能となっています。
・無店舗型性風俗特殊営業:デリヘル
・アダルトグッズ通販
・映像送信型:アダルトサイト

「店員と客が直接お金のやり取りをする業種か否か。」で営業時間の規制が変わります。

まとめ

ホテヘル営業をしている店舗は、店頭受付は0時までしかできないが、デリヘルとして0時以降営業することはできる。

売春防止法について

「売春」とは、「お金を受け取り、又は受け取る約束で、不特定の相手方と性交すること。」

ただし、上記のような売春をする行為やその相手方となることは禁止されているものの、それだけでは逮捕・処罰されません。

これは、売春せざるを得ない立場の者は、刑事罰よりは福祉の救済を必要とする者である、との観点で立法されていること、単純売買春はいわゆる被害者なき犯罪の一形態であることなどが理由とされているそうです。

売春の要件に『不特定の相手方』と規定している事から『お金を受け取り、又は受け取る約束』をして性交を行った場合であっても、それが『特定の相手である』ならば、売春とはなりません。愛人やパパ活は売春にはならないというわけでしょう。

売春防止法の処罰対象について

  1. 公衆の目に触れる方法による売春勧誘(ポン引き)等(第5条)
  2. 売春の周旋等(第6条)
  3. 困惑等により売春をさせる行為(第7条)、それによる対償の収受等(第8条)
  4. 売春をさせる目的による利益供与(第9条)
  5. 人に売春をさせることを内容とする契約をする行為(第10条)
  6. 売春を行う場所の提供等(第11条)
  7. 人を自己の占有し、若しくは管理する場所又は自己の指定する場所に居住させ、これに売春をさせることを業とした者(いわゆる管理売春、第12条)
  8. 売春場所を提供する業や、管理売春業に要する資金等を提供する行為等(第13条)

まとめ

売春を行った女性と男性客は罰されないが、店舗は管理売春として許可すれば懲役10年程度の罰則です。立ちんぼ、援デリなどはもちろん、本番をあっせんするデリヘル店も摘発の恐れがありますので注意です。

風俗店の従業者名簿について

風営法で規制の対象となっているビジネスを営む場合、従業者名簿と呼ばれる名簿を作成・管理することが義務付けられます。
風営法上の正式名称は「従業者名簿」と言います。
ただ、風営法に関連するビジネスを規制する条例の中には「従業員名簿」という用語を使っているものもあります。
ここでの従業者は男性スタッフと女性コンパニオン両方を指します。

従業員名簿の保管義務に違反したら

警察が見回りに来た際に従業員名簿がないと法律違反で罰則を受けることがあります。法律では以下の罰則が定められています。

 10日以上80日以下の営業停止(基準期間20日)処分、100万円以下の罰金

従業者名簿保管義務について

〇従業員の名簿を作成して保管する義務
〇従業員の生年月日と国籍を確認して記録を保管する義務

いわゆる従業員名簿と呼ばれる書類を作成して保管しなさいという義務で違反すると50万円以下の罰金に営業停止の可能性もある規定です。ちなみに従業員名簿の違反は風営法関連で一番多い摘発事項です。

必要な記載内容は
 ①住所
 ②氏名
 ③性別
 ④生年月日
 ⑤採用年月日
 ⑥退職年月日
 ⑦従業する業務の内容

退職した従業員に関しても、3年間の保存義務が有ります。
※退店した従業員で、名簿として必要な書類が揃っていないモノは破棄する。
確認事項は
 ㋐生年月日
 ㋑国籍
 ㋒日本国籍でない場合は在留資格と在留期間
 ㋓確認年月日
※不法就労の外国人や未成年者を雇っていて摘発されると、許可は取り消された上に以後5年間は営業許可を取る事は出来なくなります。
確認する為に必要な身分証明書は、生年月日と国籍の分かる公共機関が発行した書類でないといけません。
「パスポート」もしくは「本籍地記載の住民票」が良いとされています。
※以前は免許証にも本籍地や国籍が記載されていましたが、現在は記載されていないので確認書として認められていません。

よく退店する際に身バレを恐れるあまり「履歴書のコピーなどは回収するかシュレッダーにかけてください!」という方がいますが、それやってしまうとお店がアウトになります。ご注意を。

名義貸しの禁止

風営法の11条では、「許可を受けた者は、自己の名義をもって、他人に風俗営業を営ませてはならない」と定められており、違反した者には2年以下の懲役又は200万円の罰金が科せられることになっています。
また、名義貸しの場合は、名義を貸した側と名義を借りた側の双方が刑事責任を問われることになります。
条文を見ると、これは風営許可を取得した者とお店の経営者が違う者ではダメですよということになりますが、許可を取得した者については許可証などを見ればすぐにわかると思います。

まとめ

各店舗の【経営者】は、店舗責任者でも会社でもなく、届け出確認書に記載の人物・会社名である。

個人の許可と法人許可の違いについて

許可は「その人」「その場所」「その営業所」に対して出ています。

個人の場合は、許可の効力がその人限りのものとなります。
その人が亡くなってしまえば許可の効力は消滅します。
※許可を相続することは可能です。

これに対し、法人の場合は「法人」に対して許可が出ていますので、社長が交代しても、法人として許可の効力は存続しますし、法人が合併・分割した場合でも承継をすることができます。
どちらの場合でも「許可証の引っ越し」はできません。
この場合は許可の取り直しとなります。
許可は近くに保全対象施設が無いことや、その営業所の構造や設備が基準に適合していることを前提に出ていますので、営業所が変われば再度許可を取り直すことが必要になります。